三省製薬、2022年の総括
2022年12月16日
第3のオリジナルブランド「IROIKU」で “ジェンダーフリーの色づき美容液”という新たな価値を提案するなど 新たなチャレンジに踏み出し、多くの気づきを得た1年。
美容成分と化粧品の開発・製造・販売とオリジナルの化粧品ブランド「デルメッド」等を展開する三省(さんしょう)製薬株式会社(本社:福岡県大野城市 代表取締役社長:陣内宏行)では、2022年、ジェンダーフリーのオリジナルブランド「IROIKU(イロイク)」の展開をスタートし、新たなチャレンジに踏み出しました。
また、2022年は、昨年発表した「デルメッドものづくり宣言」に則って「デルメッド」の一部シリーズをバージョンアップ新発売し、商品に磨きをかけました。
福岡市内に昨年オープンした「デルメッド ショールーム」は1周年を迎え、お客様との関係性を深めています。当社が重視する「SEED」(サステナブル、エコ、エシカル、ダイバーシティ)については、容器開発と原料・処方開発の2つのプロジェクトチームが引き続き取り組みを進めています。
B2B事業においては、9月に新事業「発酵・培養の受託生産事業」を発表したところ、予想以上に反響をいただき、早期のビジネス化が期待される状況となりました。さらに、コロナ禍で停滞していた海外展開については、今秋、東南アジアにおいて、現地の販売代理店や取引先、お客様とのリアルな交流やミーティングが実現し、来年に向けた地ならしを進めることができました。
ロシアのウクライナ侵攻や長引くコロナ禍、円安や物価高など、社会環境が大きく変化した2022年ですが、社員一人ひとりが意識を高く持って日々の業務にあたる中で、多くの気づきを得た1年でした。
2023年も、「よりよい成分、よりよい化粧品4.1」を追求した“ものづくり”を、全社一丸となって進めていきます。
2022年に実施した具体的な取り組みと進捗は以下の通りです。
■オリジナルブランド「IROIKU」を新発売。「ジェンダーフリーの色づき美容液」という新価値提案に多くの反響。
「デルメッド」、「yameKAGUYA(やめかぐや)」に続き、当社3番目となるオリジナルブランド「IROIKU」を本年7月に全国発売しました。 “健やかな肌の色で、生きていく。”をコンセプトに、色を育むという漢字二文字を組み合わせた“色育”という意味を込めた新ブランドです。 1つのアイテムで洗顔後にスキンケアと肌色補正(トーンアップ*1)ができる「ジェンダーフリーの色づき美容液」という新しい価値提案は、百貨店をはじめ多くの商業施設のバイヤーの方たちから興味関心を寄せていただきました。その結果、関東、関西、福岡の大手百貨店でポップアップストアを展開することができました。 特に伊勢丹新宿店メンズ館では、ポップアップストアの反響を多くいただいたことにより、本年秋から念願の常設販売がスタートしました。当社ECサイト(www.iroiku.jp)とあわせ、有力な販売チャネルとして動き出しています。 各地の百貨店で実施したポップアップストアでは、20~40代の幅広い年齢層の男女のお客様に立ち寄っていただき、その場で試していただくことが、購入につながりました。 女性はもちろん、普段スキンケアのお手入れはしているが、ファンデーションのように色をつけるきっかけや勇気がなかったという男性のお客様にも、「手軽にケアができて肌がきれいに見える」と好評をいただいています。テレワークの際やちょっとした身だしなみ、肌を休めたい時など、現代のライフスタイルにおいて「IROIKU」を活用いただくシーンは増えているようです。 *1:メイクアップ効果による
■デルメッドのシリーズ商品を順次バージョンアップし、磨きをかける。
「肌から人生を美しく」をコンセプトに据えた当社の主力ブランド「デルメッド」について、今年は「ブライトニングシリーズ」(旧ホワイトニングシリーズ)と「ハリケア3品」をバージョンアップ新発売しました。
新しい美容成分が開発されると、それを最適な処方・配合で投入し「バージョンアップ」するという考え方のもと、当社は常に商品を磨いています。
パッケージも、白衣を着た研究員をイメージした「HAKUI」をデザイン・コンセプトに、白を基調としたクリーンなものに一新しました。
昨年、福岡市の天神エリアにオープンした「デルメッド ショールーム」は今年の7月に1周年を迎えました。デルメッドの商品を体感いただき、ブランドの世界観や当社の想いをお伝えする場として、お客様との交流を深めています。また、「IROIKU」発売後は、ショールームにもラインナップし、お客様にお試しいただく機会を提供しています。
ショールームでは、肌診断や肌悩みのご相談にお応えする他、スタッフ自らがアイデアを出し合いながらワークショップやイベント、SNSなどを企画・運営し、お客様との関係づくりを進めてきました。
この秋・冬は、イランイランやラベンダーなど 当社のオリジナル精油を使った「バスソルトづくり体験」や、「アロマサシェづくり体験」を企画し、好評をいただきました。
また、顧問管理栄養士の江副貴子氏による「インナービューティーカウンセリング」を月に2回実施。お客様のお悩みにあわせて、個別に食生活のアドバイスを行うことで、身体の内側から調子を整えるお手伝いもしています。
注文をいただいてからその場で作るコールドプレスジュースも人気を博しており、男女を問わず気軽にお立ち寄りいただく場としてもご利用いただいています。
お客様からは、商品をその場で購入して持ち帰りたいとの声を多くいただいたことから、今秋以降、一部商品については、ショールームでの販売も開始しました。
2023年には、全商品をその場でお持ち帰りいただけるよう、体制を整えていく予定です。
当社は、サステナブル、エコ、エシカル、ダイバーシティ(※頭文字を取ってSEED)を検討するプロジェクトとして、容器開発を担当する「パッケージチーム」と、
原料・処方開発に取り組む「バルクチーム」を編成し、取り組みを進めています。
2022年、パッケージチームは資材開発において、「環境に配慮した資材材質選定の社内基準」を設定すべく、原料などを尋ねる質問書を資材メーカーに配布。その返事をもとに、採点基準書を作成する取り組みを進めています。また、将来的には使用済み化粧品容器の回収によるリサイクルを実現すべく、情報収集と検討を始めました。情報発信活動としては、環境省が立ち上げたプラスチックごみ削減に向けた産学官の連携組織「Plastics Smart」に登録し、取り組みの発信を始めました
(http://plastics-smart.env.go.jp/case?_token&case=4877)。
バルクチームは、美容成分の開発において、国産や有機栽培の原料に切り替える検討を進めています。生産者農家を訪問して魅力を伝える活動もしており、今年新しく開発した美容成分「シソエキス」について、熊本県の紫蘇農園を訪問し、その魅力を発信する取り組みも実施しました。また、美容成分の製造段階で出る抽出残渣について、堆肥化によるリサイクルの検討も進めています。
また、社会貢献活動として、本社が立地する福岡県大野城市で自然保護や社会福祉を行っている公益財団法人おおのじょう緑のトラスト協会(https://www.green-onojo.jp/)と社会福祉法人大野城市社会福祉協議会(https://www.onojo-vc.jp/)に、活動支援のための寄付金を贈りました。さらに来年1月からは、病気の子どもを育てるご家族を支援する特定非営利活動法人 キープ・ママ・スマイリング(https://momsmile.jp/)に、デルメッド商品の寄付を開始する予定です。
本年9月、新事業として「発酵・培養の受託生産」を発表し、大阪の化粧品開発展で第一歩を踏み出しました。当初は半年程度の種まき期間を見込んでいましたが、
予想に反して複数の企業様から反響をいただきました。
当事業は、美白有効成分として「コウジ酸」を開発した当社の発酵技術を生かしたもので、コウジ酸を生産するチームと事業開発部の共同新事業となります。
生産現場チームの士気も高まっており、来年のビジネス化に向けて邁進しています。
コロナ禍で停滞していた海外展開については、今秋、マレーシアとシンガポールにおいて、現地の販売代理店やOEMの取引先企業、デルメッドのお客様とのリアルな交流やミーティングを実施しました。円安をチャンスと捉え、2023年は 海外事業を積極的に推進していきたいと考えています。