2025.2.6
美白につながる有効成分一覧!
3つの美白作用点を持つ『コウジ酸』 vol.2(全4回)
酒造りを行う杜氏の手が、白く美しいと気づいたことから開発された美白有効成分『コウジ酸』。前回の記事では、ヒト試験や金魚の実験などで実証された高い美白効果についてご紹介しました。しかし、なぜ『コウジ酸』にはこれほど高い美白効果があるのでしょうか。今回の記事では、他の美白有効成分と比較しながら、『コウジ酸』の実力の理由に迫ります。
美白とは、「日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ」または「メラニンの生成を抑えてシミ・そばかすを防ぐ」こと。美白有効成分とは、これらに対する有効性が厚生労働省に承認されている成分を指します。現在、美白有効成分は20 種類以上あるといわれますが、その働きは様々。シミは、紫外線などの刺激により肌内部で活性酸素や情報伝達物質が発生、炎症が起こり、これらの複数の刺激がメラノサイトを活性化することでメラニンを作る酵素が生成され、メラニンが合成されるという段階を経て肌に現れます。そのため、どの段階に働きかけるのか、各成分によって異なってくるのです。
美白とは、肌を真っ白に漂白することではありません。実は、肌本来の健やかな状態に整えることを指しています。具体的には、気になるシミを目立ちにくくしたり、肌の生まれ変わりをサポートしたり、メラニン色素を適切な状態に保つことです。
紫外線などにより活性酸素や情報伝達物質が発生し、メラノサイトを刺激することが、メラニン産生の引き金となります。まずはこれらの刺激を抑えることが美白への第一歩です。
活性酸素や情報伝達物質は肌に炎症も引き起こし、炎症によりさらにメラノサイトが刺激され、メラニンの産生が促進されます。目に見える赤みや腫れだけでなく、見えない微小な炎症が肌内部で続くことも、シミの原因になります。メラノサイトの活性化につながる炎症を抑えることもまた、シミを防ぐ美白作用の一つです。
私たちの肌の中で、メラニンはチロシナーゼという酵素の働きによって作られます。美白成分の中には、このチロシナーゼの働きを穏やかに抑える力を持つものがあります。これによって、新しいシミやそばかすができるのを防ぐことができます。また、細胞の中でメラニンが作られる過程に働きかける成分もあります。
お肌には生まれ変わるサイクルがあり、この過程でメラニンは自然に表面へと押し上げられ、古い角質と一緒に排出されます。美白成分には、この肌の生まれ変わりをスムーズにする働きをもつものがあります。その結果、メラニンが肌の中に留まる時間が短くなり、シミやそばかすが気になりにくい肌へと導きます。
上記それぞれの過程において、役立つのが美白有効成分となります!
では、現在美白有効成分として認められているものが、それぞれどのような作用を持っているか比較してみましょう。
有効成分名 | 開発元〈承認年〉 | 美白作用点 |
---|---|---|
コウジ酸 | 三省製薬 〈1988年〉 |
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アルブチン | 資生堂 〈1989年〉 |
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L-アスコルビン酸 2-グルコシド |
資生堂 (林原生物科学研究所) 〈1994年〉 |
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エラグ酸 | ライオン 〈1996年〉 |
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カモミラET | 花王 〈1998年〉 |
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ルシノール | ポーラ化成工業 〈1998年〉 |
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m-トラネキサム酸 | 資生堂 〈2002年〉 |
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4MSK | 資生堂 〈2003年〉 |
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エナジーシグナル AMP |
大塚製薬 〈2004年〉 |
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ナイアシンアミド | P&G 〈2007年〉 |
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デクス パンテノールW |
ポーラ化成工業 〈2018年〉 |
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グリチルレチン酸 ステアリルSW |
コーセー 〈2023年〉 |
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※スマートフォンでの閲覧時、この表組は横にスクロールできます。
『コウジ酸』は、シミができる4つの段階の内、3つに働きかけられる唯一の成分です。
言ってみれば、『コウジ酸』は美白のマルチ成分。複数の作用点をもつことによって、高い美白効果が期待できるのです。
今回ご紹介した美白有効成分は全体の一部です。さらに、今後も開発が進められ、新たな成分が誕生していくことでしょう。しかし現時点では、3つの作用点を持つ成分は『コウジ酸』しかありません。次回は、『コウジ酸』が持つさらなる力、透明感を増す「黄ぐすみ防止作用」についてご紹介いたします。